離婚相談 離婚に伴う税金 / 健康保険の離脱や加入 / 年金分割

離婚に伴う税金の問題

離婚に伴う慰謝料を受け取ったら収入となり、所得税を課税される?

皆様の中には、離婚に伴って多額の慰謝料を受け取ることになる方もいらっしゃるかもしれません。

せっかく多額の慰謝料を受け取ることができることになったのに、それを収入とみなされて所得税を課税されてしまうのでしょうか?

答えは、離婚に伴う慰謝料には、所得税は課税されません。

離婚した後に毎月受け取る養育費にも税金がかかる?

皆様の中には、離婚後、子どもを養育していくうえで、離婚の相手方から養育費を受け取る約束をしたものの、相手から毎月受け取る養育費は、収入として所得税が課税されるのではないかと不安に思われている方もいらっしゃると思います。

しかし、養育費について、毎月適正な額を受け取り続ける場合、税金を支払わなければいけないという心配はいりません。

もっとも、たとえ養育費の支払いであっても、将来分まで一括して支払いを受けた場合、贈与税を課税されることになります。

すなわち、養育費について必要となる都度支払われる分は非課税ですが、未だ具体的に発生していない将来の養育費を一括払いすることは贈与税として課税対象となってしまうというのが国税庁の見解のようです。

離婚に伴って財産分与として財産を受け取ったら、所得税を課税される?

皆様の中には、離婚に伴って、長い間夫婦ともに築いた財産を分与することになり、多額の金銭や財産を受け取ることになる方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、せっかく納得のいく財産分与を受け取ることができることになったのに、それに伴って税金を払わされることになってしまうのでしょうか?

答えは、離婚に伴う財産分与は、収入とはみなされず所得税は課税されません。

もっとも、離婚に伴う財産分与は、婚姻中に夫婦の協力によって得た財産の清算と離婚後の扶養を図ることが目的です(最高裁昭和46年7月23日判決)。

ですから、離婚に伴う清算として過大な財産分与を行った場合に、それを捉えて実質的に贈与として、贈与税を課税されることはありえます。

また、財産分与として不動産を譲渡した側の方に、譲渡所得課税がなされる場合があります。

すなわち、所得税基本通達33-1の4に「民法768条の規定による財産の分与として資産の移転があった場合には、その分与をした者は、その分与をした時においてその時の時価により当該資産を譲渡したことになる」と規定されており、財産分与として不動産を譲渡した場合で、かつその時点における時価が取得時の価格より高くなっている場合には、譲渡益が発生したものとして所得税が課税されるのです。

この点、不動産の財産分与の際には、金銭の授受はなく、売却した時と異なり譲渡所得に課税されることには一般的には理解が得られにくいとことであると考えます。

しかし、法的には、財産分与時に譲渡所得の課税がなされることは、国税庁の見解も最高裁の見解も確定した考え方といっていい状況です。

もっとも、財産分与の対象となる不動産が居住用の不動産だけである場合、多くの場合、財産分与時の時価の方が取得時の価格より高いということは稀ですので、そのような場合には税金の心配はいらないと考えられます(さらにいえば、マイホームを売って譲渡益がある場合は、3000万円の特別控除が受けられるので課税されることは稀です)。

不動産取得時の価格 < 財産分与時の価格
【不動産譲渡益課税】
譲渡価額 -(取得費+譲渡費用)- 特別控除額(一定の場合)= 課税譲渡所得金額
マイホームを売却した場合の特例
 ① 3000万円の特別控除
 ② 10年以上所有している場合の軽減税率
売った年の1月1日現在で、そのマイホームの所有期間が10年を超えている場合は、3,000万円の特別控除の特例を適用した後の課税長期譲渡所得金額に対して、次のとおり軽減された税率で税額を計算することになります。
課税長期譲渡所得の金額 所得税 所得税
6,000万円までの部分 10% 4%
6,000万円を超える部分 15% 5%

離婚をするにあたっての健康保険の離脱や加入の問題

もし、あなたが、配偶者の加入している健康保険の被扶養者となっており、離婚が決まった場合、あなたの健康保険は離婚後どうなるでしょうか?

例えば、あなたは専業主婦で、会社員である夫の勤務する会社の健康保険の被扶養者となっていたとします。

とすると、あなたは、離婚によって、夫の会社の健康保険の被扶養者としての資格を喪失します。

そこで、あなたが会社員である場合には、あなたが勤務している会社の健康保険に加入することとなり、会社員でない場合には、国民健康保険に加入することになります。

離婚に伴う年金分割について

離婚訴訟の判決や審判においては、ほとんどすべての事案で、年金分割の按分割合は0.5と定められています。すなわち、ほとんどすべてのケースで、年金分割においては、婚姻期間に対応する年金は半分ずつ受け取ることができるように計算されるよう分割されるのです。

以下では、年金分割について概説します。
公的年金については、離婚時年金分割制度が定められておりますので、公的年金についてを中心に、公的年金と企業年金に分けて解説します。

公的年金について
  1. 1 離婚時年金分割制度の概説
    婚姻期間に対応した標準報酬等の改定等の処分を受けるために、請求者が、現住所を管轄する日本年金機構(年金事務所)に標準報酬改定請求書を提出することにより請求するものです。簡単に言うと、年金事務所に請求すれば、離婚する夫婦が婚姻していた期間の年金を分けることができるということです。
    この年金分割の請求ができる期限は、離婚が成立した日の翌日から2年間です。2年間を経過してしまうと、原則として分割の請求はできませんので注意が必要です。
    適式な年金分割の請求がなされると、按分割合に応じた分割が行われ、改定をした後の保険料納付記録が当事者双方に通知されるという仕組みになっています。
  2. 2 年金分割の流れ
    「年金分割のための情報通知書」の取得
    「年金分割のための情報通知書」は、調停、訴訟のいずれ出離婚する場合も、年金分割のために必要な書類となります。年金分割のための情報提供請求書を作成して、年金事務所に提出します。情報提供請求書を出す際に、年金手帳または基礎年金番号通知書と夫婦の戸籍謄本が必要になります。
    年金分割のための情報通知書が送られてくるまでに3~4週間ほどの期間を要するといわれています。
    年金分割の按分割合の決定
    ・当事者で合意が整った場合は、合意書(双方が事務所に直接書類を持参するのでなければ公正証書)
    ・裁判所が定める場合は、決定書
    が③の年金分割請求の添付資料として必要となります。
    年金分割請求
    以下の書類を年金事務所に提出することにより年金分割請求を行います。
    [夫婦であった者の一方が請求する場合]
    ・年金分割の按分割合についての公正証書の謄本
    ・年金分割の按分割合を定めた審判または調停調書、判決書の謄本もしくは抄本
    [夫婦であった者の双方がともに年金事務所等に直接持参する場合]
    ・年金分割の按分割合について合意している旨を記載し当事者自ら署名した書類
    ・運転免許証、旅券もしくは住民基本台帳カード、印鑑及び印鑑登録証明書
企業年金について

企業年金は、企業によって様々な種類があるので一概には言えない面がありますが、一時金と年金を選択することができる場合には、一時金を選択した場合の見込み額を参考にして、年金を選択した場合の中間利息を控除した金額と比較して決めることになると思われます。

また、一時金として受け取ることを選択できない場合には、将来受け取ることのできる年金をどのように中間利息控除して現在価値を算定すべきかは難しい問題ですが、中間利息控除による現在価値算定の手法によることになると思われます。

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