債務整理 時効援用 – 消滅時効の要件

2021/06/14
債務整理 時効援用 – 消滅時効の要件

時効援用 – 消滅時効の要件

消費者金融や銀行等、貸金を業とするものから借りた借金の消滅時効が完成するために必要な条件とは(消滅時効の要件)

消滅時効期間の経過

  • (1)消滅時効の期間サラ金、クレジット会社、携帯電話事業者などの債権者に最後に弁済、または最後に取り引きしてから5年以上が経っていること
  • (2)借金の時効の起算点時効の起算点というのは、「いつから時効期間をカウントするか」ということです。
    たとえばサラ金の時効が5年としても、いつから5年間返済をしていなければ時効が完成するのかという問題です。最終返済日の特定借金の時効の起算点は、「最終返済日」とされています。ただ、民法には、「初日を計算に入れない」という原則があるので、実際には最終返済日の翌日から時効を計算します。
    たとえば、あるサラ金からの借金を、平成24年5月1日に最後に返済したときには、平成24年5月2日から時効を計算し、5年後の平成29年5月1日を経過した時点で、その借金の消滅時効は完成することになります。

時効の中断事由がないこと

一定の事実や行為によって、それまで進行してきた時効期間が効力を失うことがあります。

それを『時効の中断』といいます。

時効の中断事由としては以下のものがあります。

  • (1)請求具体的には、裁判上の請求(民法149条)、支払督促(民法150条)、和解の申立て及び調停の申立て(民法150条)、破産の手続参加等がこれに該当します。訴えによる時効中断の効力が生じる時期は、訴状を裁判所に提出した時で、訴状が相手方に送達されたときではありません(民事訴訟法147条、判例)債権者が債務者に対して、電話、書面により支払い求めるなど裁判外の請求によっても時効が暫定的に中断することを、催告(民法153条)といいます。催告の効果は、裁判上の請求の場合とは異なり、催告した後、6ヶ月以内に訴訟や支払督促などの手続きをとらなければ、時効中断の効力が生じません。
  • (2)債権者が裁判所に差押え、仮差押え、仮処分をした時債権者が債務者の財産に対して、差押え・仮差押え又は仮処分を行った場合には、時効が中断します。たとえば、住宅ローンが滞納となったときに、住宅ローン債権者である銀行が住宅の競売の申したてを行った場合、不動産が差し押さえられることとなりますので、その時点で住宅ローンの消滅時効が中断します。ただし、競売申立てが取り下げられた場合、時効中断の効果は申立ての時に遡って消滅します。
  • (3)承認時効完成前例えば、債務を一部弁済したり、支払猶予を求めたりすることは「承認」に当たり、時効が中断します。
    債務があることを認めたからこそ返済をするのですから、少額でも返済をすれば債務を承認したことになり、時効は中断してしまいます。
    同様に、債務があるからこそ支払いの猶予を申し入れるのですから、その支払猶予の申し入れも債務の承認となり、時効中断に当たります。時効が完成した後の債務承認~時効援用権喪失消滅時効期間が経過した後に債務承認をしたとしても、時効期間が経過している以上、時効中断ということにはならないのですが、もはや債務者が時効を援用しないであろうと債権者が信頼することとなる等のため、信義則上、時効援用権を喪失することとなります(最大判昭和41年4月20日民集20巻4号702頁)。

時効援用の意思表示

前述のとおり、消滅時効の利益を受けることを債権者に対して意思表示する必要があります。

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