刑事事件 窃盗罪について(財産犯)

窃盗罪

窃盗罪とは
刑法235条

「他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、10年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。」

刑法|電子政府の総合窓口e-Gov イーガブ より

窃盗罪とは、皆さんご存知の通り、他人の物を盗むことで成立します。

窃盗罪の分類

万引き、空き巣、自動車盗、自転車等、店舗荒らし、車上荒らし、自動販売機荒らし、ATMからの引きだし、工事現場からの窃盗、スリ等

窃盗罪と返還意思がある場合

窃盗罪の成立が争われる場合、窃盗の対象物についてのいわゆる「近接所持」というのが問題になることが多いです。

この「近接所持」というのは、盗まれた物を時間的・場所的に接着して所持している人が窃盗の犯人である可能性が高いという考え方です。簡単にいうと、窃盗の現場に近い場所で、窃盗からあまり時間が経過していないときに、盗まれたものを持っている人はかなりあやしいという、わりと常識的なお話です。

もう少し詳しく言うと、盗まれたものを場所的・時間的に接着して所持している者(どのくらい時間的・場所的に接着している必要があるのかという点はケースによって様々です)が、その入手経路について合理的な説明をできない場合、窃盗犯人と推定されるということになるのです。

以上より、窃盗罪の成立を争う場合は、まずどの程度、時間的・場所的に近接した状況で盗品を所持していたのか、その盗品を所持していた理由をどの程度具体的に合理的な説明ができるのか、という点がポイントとなることが多いということになります。

窃盗罪と返還意思がある場合

例えば、駐輪してある他人の自転車を勝手に拝借して乗っていた際に、現行犯で逮捕された場合、自転車を一時的に使用するつもりで、返還する意思があった場合にも窃盗罪が成立するのか、という問題があります。

この点、自転車を一時的に使用する意思で無断で使用した場合に窃盗罪の成立を否定した判例もあります。(最高裁昭和26年7月13日判決)

一方、自動車を一時的に使用する意思で無断使用した場合に窃盗罪の成立を肯定した判例もあります。(最高裁昭和43年9月17日決定、最高裁昭和55年10月30日決定)。

窃盗罪の成立を認めて、被疑者・被告人に有利な情状を主張する場合

窃盗罪は、いわゆる財産犯といわれるもので、誰かの財産権を侵害したことにより成立する犯罪です。

ですから、被害者の財産的損害を補うこと、すなわち被害弁償ができるかどうかが情状に大きな影響を及ぼします。

常識的にいっても、盗まれたものを弁償してもらえば、被害者の受けた被害もその多くが償われ、盗みをしてしまった者に対する処罰も厳しくする必要が弱くなるはずです。

もっとも、小売業を営んでいる商店等、万引きなどの窃盗の被害に悩まされている被害者であれば、被害弁償を申し出たとしても、それを拒否され、窃盗をした者の厳罰を望まれることもあります。

窃盗として発覚するのは氷山の一角ですし、発覚した場合には、発覚した後に被害弁償をして許してもらおうというのは許せない、という考えを持たれるのも理解できるところではあります。

また、全国展開しているスーパーマーケット等においては、全社的な対応として、一律窃盗被害の被害弁償を受けないという対応を徹底していることもよくあります。

そこで、窃盗事件における有利な情状として、被害弁償が可能であれば被害弁償をすることを基本とし、それができない場合にも、窃盗をしてしまった人の問題点を分析し、再犯可能性が低いことを裁判所に理解してもらえるための環境づくりが必要になってきます。

窃盗罪の取り調べのポイント

窃盗罪を否認している場合には、先ほど述べた「近接所持」の裏付けがある場合には、どうして盗品を所持していたのかの説明を細かく求められることになります。

また、被疑者の主観面において、盗ったと疑われている物を返す意思があったのではなくて、自分のものにするつもりがあったということを認めるよう求められます。

なお、窃盗の余罪について自らの手で「上申書」等という文書を書くよう求められることが多いようです。

さらに、自転車の窃盗の場合など、被疑者から返還する意思があったという言い分が出てくる可能性がある場合などには、返還する意思があったのかどうか、仮に返還する意思があったとした場合、どの程度利用しようとしていたかなどを詳しく取り調べられることになります。

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