不動産取引 共有関係の解消-1

共有関係の解消方法

現物分割
共有不動産そのものを物理的に分割する方法を「現物分割」といいます。
例えば、100m²の土地を2人で共有しており、それぞれ2分の1ずつの共有持ち分を有していたとすると、土地を分筆し、それぞれ50m²ずつ分けるということが考えられます。
そして、裁判による分割においては、原則は現物分割であるとされております。
もっとも、原則は現物分割であるといっても、実務上柔軟な対応がなされており、共有物の性質、形状、分配後の管理や利用の便宜などが広く考慮されております。
例えば、建物の現物分割は現実には不可能ですし、土地の面積の大部分に建物が建っているという場合に土地の現物分割は困難であるといえ、代金分割や代償分割が検討されることになります。
代金分割
共有物分割の対象となっている土地や建物などの不動産を売却し、その代金から経費等を差し引いて、共有持分に応じて分配する方法を「代金分割」といいます。
価格賠償(代償分割)
共有不動産を共有者の一人が単独で取得するかわりに、他の共有者に対して共有持分に応じて金銭を支払い共有物を分割する方法を「価格賠償(代償分割)」といいます。
なお、最高裁は、①諸般の事情を総合考慮して特定の者に取得させるのが相当であると認められ、②持分価格賠償によっても共有者間の実質的公平を害しないと認められる(価格が適正に評価され当該共有物を取得するものに支払い能力がある場合等)「特段の事情」がある場合には、共有者の一人が単独で所有権を取得し、他の共有者に対しては持分の価格に相当する対価を支払うことにより共有物を分割する全面的価格賠償によることができる旨の判断を示しています。(最高裁平成8年10月31日判決、最高裁平成11年4月22日判決参照)
解決事例

相続により取得した土地建物の共有名義人の3人(Aさん.Bさんの持ち分各8分の1、Cさんの持ち分4分の3)

Cさんとしては、Aさん、Bさんには上記建物についての居住の利益はなく、当該Aさん.Bさんの持ち分の買い取りを希望したが、結局、価格交渉がうまくいかず、全面的価格賠償による共有物の分割訴訟による解決を図りました。

共有物分割のための手続

共有者全員との協議
自らの共有持ち分を譲渡してしまうのでなければ(共有持ち分を譲り受けた者は、共有者になることになるため譲渡自体が困難であり、譲渡価格が低額になる可能性が高い)、共有状態を解消するためには、共有者全員と協議する必要があります。
そして、共有者との協議は、共有者同士の利害を調整ためのものであるから、最終的には共有物分割請求訴訟となった場合の結果に対する見通しを踏まえてなされる必要があります。
そこで、弁護士法人高田総合法律事務所では、協議の段階から、具体的な事情を勘案して、ご依頼者様との間で共有物分割案を作成し、共有物分割請求訴訟となった場合の結果を見据えて交渉・協議にあたります。
共有物分割請求訴訟
共有者全員での協議にも関わらず合意が成立しない場合には、共有者の一人が原告となり、他の共有者全員を被告として、共有物分割請求訴訟(裁判)を起こすこととなります。
この共有物分割請求訴訟においては、後に述べるような事情を考慮して最終的には裁判所が共有物分割に関する判決を下すことになります。

共有物分割請求訴訟において問題となる事情

共有物分割請求訴訟というのは、訴訟という形式をとっていますが、裁判所がその裁量で判決を出すことができる、いわゆる非訟事件といわれる類型です。
そこで、とくに共有物分割請求においては、訴訟提起後もほとんどのケースで当事者の話し合いによる解決(裁判上の和解)が裁判所によって試みられますし、最終的に裁判所による判決となる場合にも、様々な要素を総合考慮して判決が下されることになります。

とはいっても、共有物を分割するにあたって考慮される要素として重要なものがいくつかありますので、以下でご紹介します。

① 共有者の共有物分割に関する希望及びその合理性の有無
訴訟においては、当事者の希望する共有物分割案のうち、最も合理的な分割案は誰が主張する分割案であるのか、というのが実質的な審理の対象となることが多いです。
② 共有物の利用状況
例えば、共有者のうちの一人が共有物である建物に現に居住していたり、共有物を利用して事業を営んでいたりしており、利用状況の変更が困難と判断される場合に、それを考慮した分割を検討することになります。
③ 共有者の数及び持分の割合
例えば、共有者のうちの一人が大きな共有持分を有しており、他の共有者の持分が小さい場合に、現物分割をするよりも、価格賠償によることの合理性が認められる要素になります。
④ 共有関係の発生原因
いかなる経緯で共有関係が生じたかについても、分割方法を決めるうえで考慮要素となります。
⑤ 共有物の性質及び形状
例えば、共有物である土地を分割するにあたって、分割後の土地の利用に支障が生じないように、道路との接続状況や高低差を考慮することになります。

ページ上部へ戻る

初回法律相談30分無料 電話で予約 092-406-3000

初回法律相談30分無料 メールで予約

弁護士法律相談コラム