DVを受けている場合はどうすればよい?弁護士は何をしてくれる?


DV被害を受けている場合はどうすればよい?弁護士は何をしてくれるの?

配偶者からの暴力は容認してはいけません。

人に暴力を振るってよい理由は何一つないからです。

暴力を振るう人は、自分を正当化して相手を非難して暴力を振るいますから、「殴られる私が悪い」というのは思い込まされているだけです。

DVの環境からは、一刻も早く脱出するべきです。

暴力・DVの被害を受けているときにするべきことは?

別居をして自分や子供の身を守る

この世でもっとも大切なことは身の安全です。

そこで、暴力を受けている場合には、一刻も早く別居することを考えましょう。

両親が健在な場合には実家に身を寄せた方がいいと思われますし、実家に帰れない場合には、こっそりとアパートを借りて引っ越し準備を水面下で進めておき、配偶者の留守中に引っ越すという方法もあります。

また、市町村で、暴力からの保護シェルター(公的な施設やNPO法人が運営する施設)を教えてもらえることもあります。

別居するときには、相手に連絡先を教えてはいけません。

もっとも、何も言わずに姿を消すと、相手がやみくもに探し回ることによって、実家や友人に迷惑をかけてしまうこともあります。

別居する際には、相手が探しに行きそうな実家や友人には、あらかじめ、別居すること、相手からの連絡には「連絡先は知らない」と答えてもらうこと、相手が押しかけてきて帰らない場合など、身の危険を感じるときは警察に相談してもらうことなどを伝えておきましょう。

このとき大事なことは、知っていることを「知らない」と言い続けることは大変ですし、どこからか漏れないとも限りませんので、実家や友人には避難することは知らせても、行先・連絡先は教えないようにすることです。

できれば、別居前から弁護士に依頼しておいて、別居の際には弁護士の名刺とともに「今後はこの弁護士に連絡してください」という置手紙をするという方法がベストです。

可能であれば、証拠を集めておく

  • 病院に行く
    暴力を受けてケガをした場合には、病院に行っておきましょう。
    医師に理由を聞かれたら、ごまかさずに「配偶者から暴力を振るわれた」と答えましょう。
    医師にも守秘義務はありますから、噂が広まることはありません。
    そして、法的手続きの際には、診断書やカルテが役に立ちます。
  • 写真を撮る
    殴られたり、蹴られたりしたところが腫れたりあざになったりしている場合には、そのつど写真を撮っておきましょう。
  • 録音する
    難しいかもしれませんが、暴力を振るっているときや暴言を吐いているときに録音することができれば、有力な証拠の一つになります。
    スマホのボイスレコーダアプリを利用するといった方法が良いかもしれません。
  • 日記をつける
    いつ、どのような暴力を振るわれたかを記録しておきます。
    日記には、相手が怒り始めたきっかけ、言われた言葉、それに対する自分の答え、暴力の様子(馬乗りになってきたとか、壁に追い詰められたとか、いすを投げてきたなど)を具体的に記載します。
    「今日も殴られた」というような抽象的な記載ではなく、やりとりや暴力の様子が具体的で迫真性があるほうが、事実であるとの推定が働きやすくなるためです。
    特に写真と一緒に、そのようなケガをするまでの状況を書き留めておくと、裁判所での説明がしやすくなります。
    人の記憶はだんだん薄らいでいくものです。これまで日記をつけていなかった人も思い出せることは早めに文書化しておきましょう。

すぐに公的機関へ相談する

  • 配偶者暴力相談支援センター
    各都道府県及び市町村にはDV相談の窓口や施設があります。
    これは、下記のDV法によって設置されているものです。
    DVの相談に応じてくれたり、保護シェルターを紹介してくれたり、シェルターに入ったあとの支援をしてくれたります。
    福岡県内の配偶者暴力相談支援センターは以下のサイトに掲載されています。
    DV(配偶者等からの暴力)に関する相談窓口はこちら|福岡県
  • 警察等への相談
    警察は民事不介入などと言われてきましたが、家庭内での殺人事件やストーカーによる殺人事件などが頻発するようになって、対応が変わってきています。
    暴力を振るわれているときに110番すれば駆け付けてくれますし、家庭内の暴力でも、暴行罪や傷害罪で立件することがあります。
    また、別居したあとに、最寄の警察署に相談しておくと、巡回を増やすなどの対応を取ってくれることもあります。

DV防止法による保護命令への申し立てをする

DV防止法(配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律)では、家庭裁判所が、DVの被害を受けている人について保護命令を出せるようになっています。

保護命令の要件
  • ① 配偶者であること
    内縁関係(事実婚)の場合も含みますが、交際中の場合は含みません。
  • ② 配偶者からの暴力
    配偶者からの身体に対する暴力(身体に対する不当な攻撃であって生命又は身体に危害を及ぼすものをいう)又は、これに準ずる新進に有害な影響を及ぼす影響が存在したこと
  • ③ さらなる身体に対する暴力により、生命又は身体に重大な危害を受けるおそれが大きいこと
  • ④ 配偶者暴力支援センターの職員又は警察職員に相談し、又は援助もしくは保護を求めたこと
    もしくは、公証人の面前で宣誓の上、認証を受けた書面(宣誓供述書)を提出すること
保護命令の種類
  • ① 接近禁止命令
    被害者の身辺につきまとったり、その通常所在する場所(住居や勤務先等)の付近をはいかいすることを6か月間禁止する命令
  • ② 退去命令
    被害者が同居する住居が引っ越しをする準備等のために、配偶者に対して、2か月間家から退去することを命じ、かつその住居の付近をはいかいすることを禁止する命令
  • ③ 電話等禁止命令
    下記の行為を禁止する命令
    • 面会の要求
    • 行動を監視していると思わせるような事項を告げ、又は知りうる状態におくこと
    • 著しく粗野又は乱暴な言動
    • 無言電話、又は緊急やむをえない場合を除き、連続して、電話をかけ、ファクシミリ装置を用いて送信し、又は電子メール送信すること
    • 緊急やむを得ない場合を除き、午後10時から午前6時までの間に、電話をかけ、ファクシミリ装置を用いて送信し、又は電子メール送信すること
    • 汚物、動物の死体その他の著しく不快又は嫌悪の情を催させるような物を送付し、又は知りえる状態におくこと
    • 名誉を害する事項を告げ、又は知りえる状態に置くこと
    • 性的羞恥心を害する事項を告げ、若しくは知りえる状態に置き、又は性的羞恥心を害する文書、図面その他の物を送付し、若しくは知りえる状態に置くこと
  • ④ 子への接近禁止命令
    被害者と同居している子の身辺につきまとったり、その通常所在する場所(住居や学校等)の付近をはいかいすることを禁止する命令
  • ④ 親族等への接近禁止命令
    被害者の親族その他被害者と社会生活において密接な関係を有する者の身辺につきまとったり、その通常所在する場所(住居や勤務先等)の付近をはいかいすることを禁止する命令

上記③~⑥の禁止期間は、上記①の禁止期間と同じです。

また、上記の命令違反には刑事罰(1年以下の懲役または100万円以下の罰金)があります。

弁護士は何をしてくれるのか

相談・サポート

まずは相談してみることが大切です。法的にできることを教えてくれます。

それだけではなく、今後の方針を立ててもらい、見込みを聞くことができると精神的にも落ち着いてきます。

被害者の代理人として各種申立て

とりあえず別居して身の安全を図ったら、なるべく速やかに必要な保護命令の申立をする必要があります。

どの保護命令をすればいいのか、そのために何を準備すればいいのかを早急に判断し動いてもらうには、専門家が必要です。

自分で試行錯誤しながら準備をしていると遅くなります。

DV配偶者との離婚

別居やDV防止法の適用によって、とりあえず暴力から逃れることができたら、次は戸籍上もそのような配偶者と分かれるべく、離婚の手続きに入ることになります。

暴力を受けていた人が暴力を振るっていた人と対等に離婚の話し合いができることはありませんので、代理人が必要です。

暴力を振るうような配偶者は、離婚を拒むことが多いものです。

そのため、離婚協議や離婚調停ではなく、最終的には離婚訴訟での離婚になることも覚悟しておく必要があります。

DV事案にもいろいろとあり、もう、これは、とにかく離婚できればいいだろうというケースもあれば、離婚に伴って財産分与や慰謝料も請求できるケースもあります。

このような判断や実際の離婚調停、離婚訴訟の遂行は、弁護士に依頼しなければなかなか難しいことです。

離婚してこれから一人で生きていく、もしくは子供を養いながら生きていくわけですから、(相手の社会的地位や資力などから)金銭的請求が可能なケースであれば、弁護士に依頼し、離婚調停・離婚訴訟でも戦っていくべきでしょう。

離婚訴訟によって離婚する場合には、離婚原因が必要です。

暴力は、離婚原因を定めた民法770条第1項第5号の「その他婚姻を継続し難い重大な事由」にあたります。

もちろん、暴力とは言っても、長い結婚生活の中で1回だけ殴られたから離婚したい!と言っても、「婚姻を継続し難い」と判断されるのは難しいでしょう。

暴力であれば、暴力の程度・期間・頻度などから「婚姻を継続し難い」かどうかが判断されます。

もっとも、DVには、肉体的な暴力だけではなく、心理的・精神的暴力、性的暴力、経済的暴力、社会的隔離(孤立させる)、強要・脅迫・威嚇、子供を利用した暴力などが含まれます。

これらのDVもその程度、期間、頻度などから具体的な事案ごとに「婚姻を継続し難い」状態にあるか否かが判断されることになります。

 

この世に暴力を受けていい人間はいません。

暴力を振るう方が悪いのです。

結婚したのだから仕方がないと言って、我慢しなければならないことはありません。

また、自分は、「子供のために我慢している」と思っていても、本当には子供のためにはなりません。

母親が父親から暴力を受けている(もしくは、父親が母親から暴力を受けている)のを見ながら育つということは子供にとって健全な環境ではないからです。

子供の前で配偶者に暴力をふるうことは、「面前DV」と言って、子供に対するDVでもあるのです。

暴力からは抜け出すことを考えましょう。

そのための法的な仕組みも整いつつありますから、支援センターや弁護士に相談してみましょう。

また最近では、男性は、妻から暴力を受けているとは恥ずかしくていえないということから、男性にも潜在的なDV被害があるとも言われています。

周囲の人にはいえなくても、DV被害者を支援する団体や市町村、弁護士には相談してみましょう。

弁護士法人 高田総合法律事務所

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