不倫を会社にバラすと言われたら?不倫の慰謝料の相場は?


不倫を会社にばらすと言われたら

ご自身の不倫や浮気が相手側の配偶者にバレてしまったとき。

相手側の配偶者からは、慰謝料の請求と共にご自身の配偶者や勤務している会社に不倫の事実を暴露すると言われることがあります。

そのような場合、どうすればいいのでしょうか?そもそも、そのようなことは許されるのでしょうか?

また、不倫の慰謝料請求を受けたとき、不倫が事実であって慰謝料を支払おうと思う場合でも、その金額が折り合わないことがあります。

そのようなケースで慰謝料の相場はいったい幾らくらいなのでしょうか?

今回は、不倫の事実を職場や家庭などに暴露されることは許されるのか、また慰謝料の決め方について解説します。

不貞相手が勤務する会社に不倫の事実を暴露することは許されるか

不貞相手が勤務する会社に不倫の事実を暴露することは、名誉棄損やプライバシー侵害にあたる可能性があります。

名誉とは、人の人格的価値に対する評価のことです。

「人の社会的評価」を下げるような事実を不特定または多数人が知りうる形で摘示すると、刑法上の名誉棄損罪が成立します。

そして、名誉及びプライバシーを侵害された人は、民法709条の不法行為の規定に基づいて、損害賠償請求をすることができます。

「この人は不倫している」という事実は、人の社会的評価を下げる事実ですので、名誉棄損になりえると同時に、本当のことであれば、プライバシー侵害にもなりえます。

また、勤務先に押しかけていって騒ぐような行為は業務妨害にもなりえます。

夫の職場に対する暴露の例ですが、東京地方裁判所平成23年12月26日判決があります。

これは、夫からの離婚請求が信義則違反で棄却された後、妻が夫に不貞による慰謝料を請求し、夫が妻の会社への一連の対応について、精神的苦痛を受けたとして慰謝料を請求した事案です。

この事案では、妻は夫に、「早いこと死んでくれ」等のメールを何度も送信したのみならず、夫の勤務先の代表取締役などにも何度も手紙などを送ったり持参したほか、夫の勤務先に夫のベッドなども送り付け、警察署から妻の代理人弁護士を通じて妻になんらかの指摘をされた後も、勤務先への手紙の送付をやめなかったとのことです。

そして、これによって、夫が退職を余儀なくされています。

この事案では、妻は、夫の精神的苦痛に対して、金100万円の慰謝料の支払いを命じられました。

なお、夫が妻に対して支払うべき不貞の慰謝料は金50万円と認定されています。

これはかなり強烈な事案ですが、不貞の被害者だからといって何をしてもよいわけではないということが分かります。

ところで、なぜテレビや雑誌で騒がれる政治家や芸能人の不倫は、名誉棄損やプライバシー権の侵害にならないのでしょうか?

これは、その報道が、①公共性、②公益目的、③真実性という3要件がそろっていれば、違法性が阻却(特別の事情があるために違法性がないとすること)されるためです。

一般の人の不倫が公共性や公益目的を持つことは考え難いため、政治家や芸能人と同じように考えてはいけません。

不貞相手の配偶者や実家に不倫の事実を暴露することは許されるか

不貞相手の配偶者に不倫の事実を暴露することは、不特定または多数人が知りえる形での暴露ではありませんので、名誉棄損にはなりません。

しかしながら、夫婦であっても、それぞれが独立した大人なのですから、ある人がしたことの責任はその人が負うべきであって、配偶者であっても巻き込むべきではありません。

また、親であっても、成人した子のしたことに巻き込むべきではありません。

あくまでも当事者に不貞をやめるように言う、当事者に責任を取らせるということが基本です。

もっとも、慰謝料を請求する内容証明郵便や慰謝料請求訴訟の訴状などは、その人の住所に送付されますから、その内容証明郵便や訴状を配偶者などの家族が見る可能性はあります。

不貞相手が実家暮らしなら、実家の両親がこのような書類をみて、不倫の事実を知ることはあるでしょう。

そのような目的ある行為の結果、不貞相手の配偶者や実家の両親に知られることはありうることですが、それは社会的相当性の範囲内であると言えます。

しかし、不貞相手の配偶者や実家の両親に不倫の事実を告げる必要がないのにわざわざ伝えることは、嫌がらせ目的であると判断されやすいと言えます。

そして、社会的相当性を逸脱するような嫌がらせや中傷、電話や自宅への押しかけなどによって、平穏な生活を脅かすようなことをすれば、不法行為であると認定されることになります。

例えば、東京地方裁判所平成22年1月29日判決においては、不貞をされた妻が、「不貞相手に対して執拗に面会を求める電話をかけ、不貞相手から応答が受けられないことから、不貞相手の勤務先に再三電話をしたり、勤務先の代表取締役に電話で事情を訴えたりし、また、不貞相手の実家に度々電話をして不貞相手の父親に事情を伝えるなどした」ことや、「不貞相手に対して、待ち伏せして襲うとか、駅前で不倫関係に関するビラを配布するなどと告知した」ことについて、「強い衝撃と憤りによる情緒不安定からくるものであろうとはいえ(中略)、社会的相当性を欠く行き過ぎがあったとと評さざるを得ない」という判断をされています。

もっともこの判例では、不貞相手が謝罪もせずに不貞関係を一切否定する回答を送ったのもその要因とも判断されており、その他の不貞行為の態様も考慮の上、不貞相手は、不貞の慰謝料200万円を支払うよう命じられています。

このように、不貞をされた側の行為が、社会的相当性を逸脱したと言えるか否かが判断基準となります。そして、社会的相当性を逸脱した行為については、不貞の慰謝料の減額要因となります。

不倫・浮気の慰謝料の金額の決め方。相場について

慰謝料算定の要素

不貞相手の慰謝料の金額を決める要素は多数あり、婚姻期間、お互いの年齢、従前の夫婦関係の状況、当事者の資力や社会的地位、未成年の子の有無、不貞行為の期間、回数、頻度、態様などが総合考慮されます。

相手の婚姻関係を壊してしまったのか?

不貞相手の慰謝料の要素で最も大きなものは、「不貞行為の結果、夫婦が離婚・別居に至った」のか、「不貞の事実は発覚したが、夫婦はやり直すことにした」のかのどちらなのかによって、慰謝料の金額が大きく変わります。

なぜなら、不貞行為が、「婚姻共同生活の維持という権利又は法的保護に値する権利」を侵害する行為であるためです。

そこで、「婚姻共同生活を一時的に乱してしまっただけ」なのか、「永久に壊してしまった」のかという結果の大きさによって、負うべき責任の重さが異なるからです。

そのため、不貞相手に対する慰謝料請求事件でも、夫と不貞相手が別れ、妻が夫を宥恕して離婚の危機を乗り越えているなどの事情から、不貞相手の支払うべき慰謝料が50万円と低額になった事案もあります(東京地方裁判所平成4年12月10日判決)。

このように、夫婦が離婚せずにやり直すことにした場合には、不貞相手の慰謝料は低額にとどまります。

不貞の慰謝料は不真正連帯債務

不貞をした配偶者と不貞相手の慰謝料支払義務は、不真正連帯債務です。

分かりやすく言うと「連帯責任」ということなのですが、原則として、配偶者が第1次的責任、不貞相手が副次的な責任を負いますので、配偶者の方が慰謝料が多額になります。

上記の東京地方裁判所平成4年12月10日判決でも、「婚姻関係の平穏は第1次的には配偶者相互間の守操義務、協力義務によって維持されるべきものであり、不貞についての主たる責任は配偶者にあるというべきであって、不貞の相手方において優越的地位等の手段を用いて不貞配偶者の意思決定を拘束したような特別の事情の存在する場合を除き、不貞の相手方の責任は副次的なものにすぎない」と判示しています。

慰謝料の相場

不貞慰謝料の相場は、50~300万円程度と言われていますが、一応の目安程度にすぎません。

不貞行為の慰謝料が話し合いで解決しない場合、慰謝料を最終的に決めるのは裁判官です。

しかしながら、慰謝料の相場観が高い裁判官もいれば低い裁判官もいるというのが実情だからです。

 

不貞行為の償いは、慰謝料の支払いによってなされることが基本です。

しかし慰謝料の額には、その事案ごとの適正な金額というものがありますから、必ずしも相手の言い値を払わなければいけないというわけではありません。

相場もあくまで目安ですので、当事者同士で交渉がまとまらないのであれば、弁護士に依頼するべきだと考えます。

また、不貞の事実を言いふらすような言動を取られそうな場合には、弁護士に依頼して、そのようなことはやめるよう相手に申し入れをしてもらった方がいいでしょう。

弁護士法人 高田総合法律事務所

法律相談のご予約はこちら

高田総合法律事務所では、初回のご相談は30分無料です。
お気軽にお問い合わせください。


初回法律相談30分無料 電話で予約 092-406-3000

初回法律相談30分無料 メールで予約




初回法律相談30分無料 電話で予約 092-406-3000


初回法律相談30分無料 メールで予約




SNSでシェアできます。