税金が払えない!滞納による差押え前に行われる財産調査とは


税金が払えない!滞納による差押え前に行われる財産調査とは

債務整理についてご相談の中で、「税金も滞納しているがどうすればよいのか」というお話を伺うことがあります。

税金の督促は、消費者金融やクレジットカードの滞納や延滞の時ほど督促が厳しくない。

あるいは、税金を滞納してもいわゆるブラックリストには載らないなどの考えから、税金の支払いを後回しになさっている方もいらっしゃるかと思います。

消費者金融やクレジットの借金は、最終手段として自己破産により免責されますが、税金は自己破産しても免責されません。

ですので、本来は他の返済よりも優先して税金を納める必要があると言えます。

税金は、所得税や住民税などそれぞれの種類により納期限が定められています。

この納期限を1日でもすぎると滞納となります。

滞納となった場合、督促状が送られてきて、電話などの催告があり、それでも税金を納めなかった場合、最終的には財産を差し押さえられます。

財産を差し押さえるために、事前に滞納者の身辺や銀行口座・不動産などを調べることを財産調査といいます。

財産調査に基づき、例えば給与所得者であれば勤務先から支払われる給料や、銀行口座が差し押さえられます。

この財産調査とは、具体的にどのようなことが調べられるのでしょうか。

今回は税金滞納による差押え前に行われる財産調査について解説します。

財産調査で調べられる内容とは

財産調査は、国税の場合は国税庁の「徴収職員」、地方税の場合は地方自治体の「徴税吏員」により調査が行われます。

どちらも同等の権限を有してますので、国税・地方税により差はありません。

また、調べられる内容はいわゆる個人情報ですが、財産調査は国税徴収法第141条に定められた権限ですので、個人情報保護法に抵触しないとされています。

財産調査の具体的内容は以下の通りです。

身辺調査

  • 住民票の取得
  • 勤務先や取引先の調査
  • 所得の調査
  • 戸籍の調査(戸籍附票で、引っ越し履歴も調査されます)
  • 家族構成

財産調査

  • 給料
  • 自動車の有無
  • 銀行口座(取引の詳細も調査されます)
  • 不動産謄本の入手
  • 生命保険(解約返戻金など)
  • 売掛債権など

このように、財産調査は滞納者自身だけでなく、勤務先や金融機関なども徹底的に調査されます。

例えば給与所得者であれば、徴収職員もしくは徴税吏員が勤務先を把握した後、勤務先に給与の内訳や振込口座などの問い合わせが行われます。

この時点で、勤務先には税金滞納していることが発覚してしまします。

給与所得者の場合、所得税や住民税などは給料から天引きされるため、税金の滞納など無縁に感じられるかもしれませんが、例えば自動車税など自主的に納める必要がある税金をを滞納していた場合に、税務署から勤務先にこのような問い合わせがなされます。

また個人事業主であれば、売掛債権などから回収できないかを確認するために、取引先についても調べられることがあります。

財産調査で財産が見つからなかったら

財産調査で差押えできる財産が見つからなかった場合は、捜索が行われます。

捜索は隠し財産の発見・差押えを目的としていますので、予告なく自宅や事務所などに立ち入り調査がなされることになります。

そこで、換金可能な財産が発見されれば、そのまま差し押さえられ押収されます。またすぐに運べない財産はその場で封印されます。
この財産調査での捜索は、警察などの捜索と違い、裁判所による令状は必要ありません。

このことから税金の徴収に関しては、「徴収職員」「徴税吏員」には、かなり強い権限が与えられていることがわかるかと思います。

財産調査で差し押さえの対象とはならないもの

財産調査や捜索で、全てのものが差押えの対象となるわけではありません。

国税徴収法第75条では、生活や営業に欠くことができない財産は、差し押えることができないとされています。

具体的には、衣服、寝具、家具、台所用具、畳及び建具、生活に必要な3月間の食料及び燃料、収入を得るために必要な道具(農業のための農機具や、漁業のための船や網など)、商品を除く業務に欠くことができない器具、実印などがあります。

国税徴収法 第六款 差押禁止財産(第七十五条―第七十八条) | 電子政府の総合窓口e-Gov イーガブ

第75条関係 一般の差押禁止財産 | 国税庁

また、給与所得者の給料を差し押さえる場合は、全額が差し押さえられることはありません。

これは国税徴収法第76条 給与の差押禁止にて規定されています。

第七十六条  給料、賃金、俸給、歳費、退職年金及びこれらの性質を有する給与に係る債権(以下「給料等」という。)については、次に掲げる金額の合計額に達するまでの部分の金額は、差し押えることができない。この場合において、滞納者が同一の期間につき二以上の給料等の支払を受けるときは、その合計額につき、第四号又は第五号に掲げる金額に係る限度を計算するものとする。

  • 一.  所得税法第百八十三条 (給与所得に係る源泉徴収義務)、第百九十条(年末調整)、第百九十二条(年末調整に係る不足額の徴収)又は第二百十二条(非居住者等の所得に係る源泉徴収義務)の規定によりその給料等につき徴収される所得税に相当する金額
  • 二.  地方税法第三百二十一条の三 (個人の市町村民税の特別徴収)その他の規定によりその給料等につき特別徴収の方法によつて徴収される道府県民税及び市町村民税に相当する金額
  • 三.  健康保険法 (大正十一年法律第七十号)第百六十七条第一項 (報酬からの保険料の控除)その他の法令の規定によりその給料等から控除される社会保険料(所得税法第七十四条第二項 (社会保険料控除)に規定する社会保険料をいう。)に相当する金額
  • 四.  滞納者(その者と生計を一にする親族を含む。)に対し、これらの者が所得を有しないものとして、生活保護法 (昭和二十五年法律第百四十四号)第十二条 (生活扶助)に規定する生活扶助の給付を行うこととした場合におけるその扶助の基準となる金額で給料等の支給の基礎となつた期間に応ずるものを勘案して政令で定める金額
  • 五  その給料等の金額から前各号に掲げる金額の合計額を控除した金額の百分の二十に相当する金額(その金額が前号に掲げる金額の二倍に相当する金額をこえるときは、当該金額)
国税徴収法 第六款 差押禁止財産(第七十六条) | 電子政府の総合窓口e-Gov イーガブ

簡単に言うと、一人暮らしの場合「(給料-税金や社会保険等の金額-10万円)×20%+10万円」となります。

また生計が同一の家族がいる場合は、一人につき45,000円が加算されます。

 

税金を支払えない場合、できれば納期限前に税務署や役所に納付相談に行かれることが望ましいでしょう。

遅くとも督促状が送られてきた段階で相談すれば、分割納付などを認めてもらえることもあります。

税金の滞納で差押えを受けると、原則として滞納分を完済しなければ差押えの解除はなされません。

もし、金融機関からの借金などで税金の支払いが滞っている場合は、債務整理をして税金滞納を解消なさることをお勧めいたします。
お悩みやお困りの方は、ぜひ弁護士へご相談ください。

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